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仮想通貨はウォレットで自己管理
「ウォレットを用意しなくても、取引所に預けておけばよいのでは?」と思っていませんか?
しかし長期保有を考えているならば、ウォレットで管理することを強くオススメします。
みなさんも知っていますよね?2018年1月にコインチェックからネム(XEM)がハッキングされた事件。
コインチェックに仮想通貨を預けていたユーザーは、自分の資産が引き出せず、なくなるかもしれないという恐怖を味わいました。
このような事件の被害者にならないためにも、資産は自分で守るという心構えが必要です。
仮想通貨ウォレットは5種類
仮想通貨ウォレットには、大きく分けて次の5種類があります。
- デスクトップウォレット:パソコンで管理
- ウェブウォレット:ネットで管理
- モバイルウォレット:スマホ端末で管理
- ハードウェアウォレット:専用端末で保管
- ペーパーウォレット:紙で保管する
それぞれメリットやデメリットがありますので、解説していきます。
またアルトコインを持っている方は、対応したウォレットサービスを選びましょう。
1. デスクトップウォレット
デスクトップウォレットは、パソコンにウォレットのソフトウェアをインストールし、利用するサービスです。
“ソフトウェアウォレット”や“クライアントウォレット”とも呼ばれます。
メリットとデメリット
■メリット
他のタイプのウォレットよりも開発が進んでおり、フルノード版ならすべての取引記録を確認できるメリットもあります。
またパソコンが壊れてもウォレットにアクセスできりように、秘密鍵の保管はしっかりとやりいましょう。
■デメリット
1つのデスクトップウォレットで1つの仮想通貨しか対応していないこと。たとえば3種類の仮想通貨を管理したければ、3つのデスクトップウォレットが必要になるんです。
ビットコインのウォレット
Bitcoin Core(ビットコインコア)
ビットコインの公式ウォレットであるビットコインコアは、フルノード版なので、すべてのブロックチェーンのデータをパソコンにダウンロードして使うことができます。
秘密鍵をローカル環境で保管するのでセキュリティ面でも安心です。
Electrum(エレクトラム)
フルノード版などの重い機能は要らないという方には、こちらのエレクトラムがオススメ。ビットコイン用のウォレットです。日本語対応済みで、使い勝手もバツグンです。
アルトコインのウォレット
アルトコインを保管するなら、それぞれの保管用のウォレットを利用する必要があります。たとえばイーサリアムなら、MyEtherWallet(マイイーサウォレット)、リップルならripple-client-desktop、ネムならNano Wallet(ネム公式のデスクトップウォレット)……という風に、ウォレットを使い分ける必要があります。
2. ウェブウォレット
ウェブウォレットは、インターネット上で管理するサービスです。オンラインウォレットとも言います。
メリットとデメリット
■メリット
メリットは、インターネットから残高確認や送金がすぐにできる利便性です。他のウォレットは、インストールした環境でしか使えないなど制約が多いのですが、ウェブウォレットはどの端末からもアクセスできるので便利です。
■デメリット
一方でデメリットは、安全性が劣ること。なぜならインターネット環境に接続できるということは、ハッキングできる環境だからです。
コインチェック事件もインターネット上に仮想通貨を保管し、ハッキングされました。
・ホットウォレット:ネットで管理
・コールドウォレット:オフラインで管理
長期保有の仮想通貨はコールドウォレットに保管し、短期保有はホットウォレットと使い分ける方が多いですね。
オススメのウェブウォレット
ウェブウォレットで最大手がこのBlockchain。日本語対応しているので日本人ユーザーも多いようです。
現在ビットコインとイーサリアムに対応していて、秘密鍵を自分で管理する仕様になっています。
3. モバイルウォレット
自分のスマホにアプリをインストールして使うのが、このモバイルウォレットです。スマホさえあれば、お店でビットコイン支払いを行ったり、思い立った時にスマホから送金をしたりできて便利です。
デメリットはやはりセキュリティ面で、万が一スマホが紛失した場合に第三者に使用されるリスクがあります。また、インターネットを介して利用するため、ハッキングのリスクもゼロではありません。
普段利用する仮想通貨のみモバイルウォレットに保管し、他の資産はコールドウォレットに保管する方法がオススメです。
BRD(ブレッド)
iOS用とAndroid用に対応したブレッドは、シンプルなUIで使いやすくて人気です。余計な機能がついていないため、初心者にオススメできるモバイルウォレットです。
GreenAddredss(グリーンアドレス)
モバイルウォレット以外に、クロームの拡張機能でも使えるグリーンアドレス。はじめてSegwitに対応したモバイルウォレットということで注目されています。
Copay(クーペイ)
ビットコイン決済サービスを提供しているBitPay社が開発したウォレットで、スマホ版のほかPC版もあります。ウォレットの復元を別のデバイスからも行えたり、二段階認証を導入できたり、管理面で便利なウォレット。
さらに、アドレスを複数生成できるため、管理がラクでファンの多いウォレットです。
4. ハードウェア(物理)ウォレット
ハードウェアウォレットとは、仮想通貨を保管するための専用端末です。インターネットに繋がらない、コールドウォレットでの保存になります。
メリットとデメリット
■メリット
・ハッキングのリスクがない
・端末が故障・紛失しても大丈夫
なにより5種類のウォレットのなかで、もっともセキュリティー面で優れいると言われています。そして端末が故障したりしても、リカバリーフレーズがあれば復元できるので安心です。
リカバリフレーズとは、復元するためのパスワードのようなものです。
■デメリット
・約1.5万円の費用
・管理面では少し手間
・PINコード、リカバリフレーズをそれぞれ保管
デメリットとしては、お金がかかる、コールドウォレットなので管理が少し手間であることがあります。
これは安全とのトレードオフです。注意してほしいのは、リカバリフレーズを紛失や盗難しないということです。
オススメのハードウェア2選
Ledger Nano S(レジャーナノS)
USBトークン型で、1台で5種類の仮想通貨まで保管することができます。ビットコイン以外にイーサリアムやライトコイン、DASH、リップルなどに対応しています。
画面表示は英語ですが、正規店で購入すると日本語ガイドブックが付いてくるため操作に迷うことはありません。
TREZOR(トレザー)
Ledger Nano Sと同じくらい人気のハードウェアウォレットが、こちらのTREZOR。ストップウォッチのような形をしています。
ビットコイン以外に、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、DASH、ネムなどに対応しています。
5. ペーパーウォレット
ペーパーウォレットとは、仮想通貨のアドレスと秘密鍵を、紙に記録して保管するウォレットです。
紙の財布ということですね。
メリットとデメリット
■メリット
・費用が0円
・ハッキングのリスクがない
■デメリット
・紛失すると取り戻しができない
・古くなると文字が読み取れない
ペーパーウォレットで仮想通貨を保管される方は、実際はほとんどいません。
ハッキングのリスクはありませんが、紙が古くなる、紛失してしまうリスクや保管の手順が難しいためです。
興味のある方は、“bitaddress.org”から作成できますので、チェックしてみてください。
まとめ
ひとくちにウォレットと言っても、いろいろな特徴を持ったウォレットがあり、各々にメリットもデメリットもあります。
たとえば長期保有の多額の資産は安全性の高いハードウェアウォレットで管理し、日々の決済や送金に使いたい仮想通貨はモバイルウォレットやウェブウォレットで保管するなど、それぞれの特徴を活かして保管するようにしましょう。
